本文へスキップ

TripRoutes

Asia Travel Magazine

釜山の路地に残る、昭和な食堂街。国際市場のスンデ通りで出会うソウルフード
グルメ 🇰🇷 South Korea

釜山の路地に残る、昭和な食堂街。国際市場のスンデ通りで出会うソウルフード

釜山・国際市場の裏路地に連なるスンデ専門食堂街。地元に愛される豚モツスープ「スンデクッ」の魅力と、アクセス・予算・おすすめ動線を詳しく紹介します。

| 8分

釜山の国際市場、その裏路地に湯気が立ちのぼる一角がある。スンデ(순대)と呼ばれる豚の腸詰めを専門とする食堂が軒を連ねるその通りは、観光マップにはほとんど載らない。けれど地元の常連たちが朝から迷わず足を向ける場所だ。

訪れるベストな時期と時間帯

釜山の路地に残る、昭和な食堂街。国際市場のスンデ通りで出会うソウルフード

国際市場のスンデ通りは、年間を通じて営業している食堂が多い。なかでも10月〜3月の寒い季節は特におすすめだ。冬の冷えた空気のなかで食べる熱々の豚モツスープ(순댓국)は、体の芯から温まる体験になる。夏場(7〜8月)は蒸し暑さが厳しく、屋外の路地に出ることそのものが体力を要するため、涼しい時期の訪問がより快適だ。

時間帯としては午前10時〜12時が狙い目。開店直後の食堂は仕込みたての出汁が澄んでいて、地元のお年寄りや市場で働く人たちが朝食代わりに訪れる時間帯でもある。正午を過ぎると混雑し、座れないこともあるため、遅くとも昼前には路地に入りたい。

国際市場スンデ通りの核心スポット

釜山の路地に残る、昭和な食堂街。国際市場のスンデ通りで出会うソウルフード

スンデ国際市場通り(순대 국제시장 골목)

国際市場の南側、アーケードを抜けた先に突如として現れる食堂街。コンクリートの壁、年季の入った看板、プラスチックの折りたたみ椅子——どれをとっても「映える」要素はない。だがその無骨さこそが、この場所の本質だ。10軒以上の食堂が肩を寄せ合い、それぞれの鍋から白い湯気が空へと上っている。釜山の下町の空気感を、最も濃密に体感できるスポットのひとつとして、市場を熟知するローカルガイドたちが密かに案内する場所でもある。

地元民が知っていること: 通りの奥に進むほど地元客の割合が高くなる。入口付近は観光客向けのメニュー表示があるが、奥の店には韓国語のみのボードだけ——それが「本物の食堂」の目印。

순댓국(スンデクッ:豚モツスープ)

この通りの主役は、一杯のスンデクッだ。豚の骨と内臓を長時間煮込んだ白濁したスープに、スンデ(腸詰め)・豚の肺・肝・頭肉がたっぷりと盛られて出てくる。テーブルに置かれた粗塩・コチュジャン・エビの塩辛(새우젓)を好みで加えながら食べるのが釜山流。最初は塩だけで出汁の味を確かめ、途中でエビの塩辛を一さじ。スープの表情が変わる瞬間に、この一杯の奥行きが伝わる。

地元民が知っていること: 「곱배기(コッペギ)」と言えば大盛りに変更できる食堂がほとんど。価格差は1,000〜2,000ウォン程度で、男性や食べ盛りの方には迷わずこちらを。

スンデ(순대:腸詰め単品盛り)

スープとは別に、スンデそのものを単品で注文できる店も多い。豚の小腸にもち米・春雨・豆腐・野菜を詰めて蒸し上げたもので、釜山では特に「아바이순대(アバイスンデ)」と呼ばれる大腸を使った太めのタイプが人気だ。断面に現れるもち米の白とプルプルの腸のコントラストが美しく、塩とごま油を少量つけてそのまま食べると、素材のうまみが口に広がる。

地元民が知っていること: 蒸したてのスンデが出てくるのは午前中のみの店が多い。午後になると前の時間帯に作ったものを温め直すケースが増えるため、鮮度を重視するなら10時台に注文するのが正解。

国際市場アーケード(국제시장 아케이드)

スンデ通りへ向かう途中に通過する国際市場のアーケードは、それ自体がひとつの体験だ。衣料品・生活雑貨・乾物・韓服(ハンボク)の生地まで、所狭しと並ぶ商品の多様さは圧倒的。日本統治時代に形成された市場の歴史は80年以上にのぼり、映画『국제시장』(2014年)の舞台としても知られる。スンデ目的で訪れたとしても、食事の前後にこのアーケードをゆっくり歩いてほしい。市場の喧騒と、そこで生きる人々の営みが、路地のスープの味をいっそう深くする。

地元民が知っていること: アーケード内の乾物エリアで売られている「황태(ファンテ:干しスケトウダラ)」は釜山土産として人気。真空パック品を選べばスーツケースに入れやすい。

富平カントン市場(부평깡통시장)

国際市場から徒歩5分、同じ中区エリアに位置する富平カントン市場は、夜になると様相が一変するナイトマーケットでも有名だが、昼間の顔もまた味わい深い。乾物・調味料・輸入食品が雑多に並ぶ昼の市場を抜けると、小さなポッサムチプ(ゆで豚の店)や即席のトッポッキ屋台が点在している。スンデ通りでのランチの後、口直しに冷たい伝統茶やパッピンス(かき氷)を探すなら、このエリアが便利だ。地元の市場文化を続けて体感できる、動線上の立ち寄りスポットとして価値がある。

地元民が知っていること: 昼間の富平市場は観光客が少なく、価格も観光地価格ではない。乾物コーナーで地元のハルモニ(おばあさん)が量り売りしているナムルや乾燥キムチは、スーパーでは手に入らない味。

動線の提案

釜山の路地に残る、昭和な食堂街。国際市場のスンデ通りで出会うソウルフード

スンデ通りを軸にした半日コースをご紹介する。

09:30 釜山地下鉄1号線「자갈치(チャガルチ)駅」または「남포(ナンポ)駅」下車、徒歩8〜10分で国際市場へ。

10:00 国際市場アーケードに入り、まず市場の雰囲気を歩きながら体感。乾物エリアや衣料品エリアを20〜30分かけてゆっくり通り抜ける。

10:30 アーケード南側の出口からスンデ通りへ。店の外観と雰囲気を見比べながら、気に入った一軒に入店。スンデクッを注文し、粗塩・エビの塩辛で自分好みに仕上げながら食べる(所要30〜40分)。

11:15 同じ通りの別の店でスンデ単品を追加注文するか、テイクアウトで持ち歩く。

11:45 徒歩5分で富平カントン市場へ移動。昼間の乾物市場をぶらつき、屋台のトッポッキや伝統茶で締めくくる。

13:00 南浦洞(ナンポドン)エリアへ歩いて移動し、BIFF広場やチャガルチ市場を自由見学して解散。

予算・移動・予約

釜山の路地に残る、昭和な食堂街。国際市場のスンデ通りで出会うソウルフード

食事代:

交通:

予約: スンデ通りの食堂はすべて予約不要。ただし人気店は土日の11:30〜13:00に行列ができることがある。並ぶのを避けたければ平日の開店直後を狙うこと。

現金 vs カード: スンデ通りの小さな食堂の多くは現金のみ対応。国際市場や富平市場でもカード不可の店が混在するため、ウォン現金を10,000〜20,000ウォン程度手元に用意しておくと安心。

知っておきたいポイント

釜山の路地に残る、昭和な食堂街。国際市場のスンデ通りで出会うソウルフード

この路地が残すもの

国際市場のスンデ通りは、釜山という都市の歴史そのものを映している。戦後の混乱期に逃れてきた避難民たちが、持てる食材と技術を活かして商いを始めた場所。その記憶が、今も白濁したスープの底に静かに沈んでいる。観光名所を効率よく巡る旅ではたどり着けない、市場の奥の一杯——それを知っているだけで、釜山の旅の輪郭は少し変わるはずだ。次に釜山を訪れるなら、スンデ通りをコースに加えてほしい。地元の人と同じ椅子に座り、同じ一杯を前にする時間が、きっと旅のいちばんの記憶になる。

日記、続きます。

🏨 おすすめ宿泊

ロッテ ホテルロッテ ホテル⭐ 5.0 · 9.0/10 (13,621) · ¥22,780 1泊 ソラリア ニシテツ ホテル プサンソラリア ニシテツ ホテル プサン⭐ 4.0 · 8.6/10 (7,913) · ¥14,914 1泊 ララ ビアンコ ビジネス ホテルララ ビアンコ ビジネス ホテル⭐ 3.0 · 8.8/10 (2,060) · ¥5,414 1泊

Agoda アフィリエイトリンク — クリックすると料金比較ページに移動します。