夕暮れが落ちはじめる頃、クアラルンプールのジャランアローは少しずつ目を覚ます。
湯気と煙の路地へ
ブキッ・ビンタン地区から歩いて数分。大通りから一本入ると、そこには別の空気が流れている。炭火の煙が夜空へ昇り、甘辛いソースの香りが通りに満ちる。テーブルは舗道にまではみ出し、赤いランタンが揺れている。夜10時を過ぎても、むしろその頃から通りは賑わいを増す。これがジャランアローの夜の温度だ。
今夜の一皿、一杯
サテーの炭火に誘われて
通りに入ってすぐ、炭火の煙が流れてくるのがサテーの屋台だ。鶏・牛・羊を串に刺し、うちわで扇ぎながらじっくり焼き上げる。ピーナッツソースをたっぷりつけて、一本ずつ。甘みと塩気のバランスが、ビールにも白飯にも自然と合う。
ウォン・アー・ワー、名物の手羽先
ジャランアローの名物として語り継がれるウォン・アー・ワーの炭焼き手羽先。表面はカリッと焦げ目がついて、中はジューシー。行列ができていても回転は早く、テーブル席を確保してから注文するのがここのスタイルだ。
チャークイテオ、鉄鍋の音と煙
強火の鉄鍋で一気に炒めるチャークイテオは、煙と音がセットの料理だ。平打ちの米麺に海老・卵・もやしが絡み、甘辛いソースが焦げ目をつける。調理している姿そのものが見ごたえになる、屋台らしい一皿。
チェンドルで夜の締め
締めくくりはチェンドルがいい。細いかき氷の山に、ライムグリーンの米粉麺、濃厚なココナッツミルク、グラ・マラカの黒いシロップ。甘さと冷たさのコントラストが、蒸し暑いクアラルンプールの夜にちょうどいい。
フルーツジュース、ひと息
歩き疲れた頃に立ち寄りたいのが、路上のフルーツジューススタンド。マンゴー・マンゴスチン・パッションフルーツなど南国の果物をその場で搾ってくれる。10〜15リンギットほどで、口直しにも体力回復にもなる一杯だ。
歩くときのメモ
- 営業時間の目安:19:00〜深夜1:00頃が最も活気ある時間帯
- 支払い:現金払いが基本。小銭を多めに持っておくとスムーズ
- 席の取り方:テーブルは自由席スタイル。混雑時の相席も普通の文化
- 雨対策:雨季(10〜12月)は夕方のスコールに注意。折りたたみ傘があると安心
夜の屋台通りには、足を止めないと気づかない香りや音がある。ジャランアローはそういう場所だ。
日記、続きます。